人間主義

人間主義のシステム開発

ってのがだんだん解ってきた。

状況報告に対する第一声としてまず「誰が言った?」と聞き返してくる人がけっこう多くて、常々なんでこの人達は状況の把握より先に、誰が言ったとか誰がやったってのを聞きたがるんだろうかと怪訝に思っていた。

多分それらの人達は、問題があった場合にそれを事象として捉えているのではなく、問題を起こした人を主体として捉えているのだろう。問題があるのは、問題を起こした人に問題があるのであって、問題そのものより、問題を起こした人の方が重い問題だと考えているのではないだろうか。

まあ、確かにその問題を発生させたのはその人なのだから、問題を発生させた人を問題源として注視すべきというのは正論だが、では問題を起こした人を叱り飛ばしたら問題はなくなるのだろうか?

製造業でありながら人依存のシステム開発

先のことは、現在立てている計画や体制によって決まってくるものだが、人間主義の人達は計画よりも人柄というか、この人だから任せて安心という考え方をし、計画そのもののチェックはあまり重視しない。計画(成果物)ではなく、実行する人の人柄に依存している。Object軽視で、Subject重視。

計画段階でも、問題が発生した段階でも、Objectそのものではなく関わった人の人柄を重視して考えているから、アプローチする対象も、Objectそのものではなく人に対してになる。故に、問題が起こったら人を叱り飛ばし、人を責める。

上手く行ったら人を誉める。計画や設計といったObjectを評価しているわけではないので、Objectが蓄積されず、上手くやれたイイ人が抜けてしまうと回らない体制になってしまう。つまり人依存。


失敗した場合に、問題を事象として分析するのではなく、頭ごなしに怒鳴られるのはありがたくないが、誉めるときに、成果物の内容よりも人格そのものを誉められる方が、人は嬉しいものだろう。
何かにつけて各ステップごとに進捗状況の報告を要求して、細々とチェックする上司よりは、人格を信頼して「君を信頼して任せるから好きにやりたまえ」と言ってくれる上司の方が楽だしモチベーションも上がっていいだろう。

人間主義の方がいいという場合もあるだろうが、見ず知らずの人間を多数抱えて仕切るのだったら、人間主義ってのは効率が悪くて、品質も保証できない。それでは組織としては成り立たなさそうだ。
Object軽視 URL http://www.xn--wimax--n90ny56t.net/

終身雇用が前提で、会社が家族みたいなもんだった昔の日本企業なら、人間主義でも良いのだろうが、派遣ベースで人の入れ替わりが激しくなってきている昨今は、それではまずいのではという気がする。

製造工程を厳密に定義できないから人依存になる

システム開発は、他の製造業のように、1つの設計書からたくさんの物を製造するわけではない。

1つの設計書から1つの物しか生まれない。

製造業でありながら一品物を作っているわけだ。

似ているのが在来工法の建築現場だ。

1枚の設計図から1棟の家を建てるだけで設計図の役目は終わる。

この、一品物製造という形態が製造プロセスを明確にするのを妨げる原因になっているし、いちいちマニュアル化するほうが大変なので現場主義になってしまうのだろう。

CMMIのようにシステム開発の工程を明確に定義しようとする動きはどんどん加速しているが、それでも日本のシステム開発は人間主義だ。